親知らずの抜歯について
親知らずの抜歯について
上手な親知らず抜歯とは
早い、痛くない、治りが良い
親知らずの抜歯は、上顎の真っすぐ生えているものから、下顎の横向きに深く埋まっているものまで、難易度、術式、術後の合併症などが大きく異なります。それぞれの症例に対して早く、痛くなく、治りが良い適切な術式を選択して、それを確実に実践できることが重要です。
当院では高い技術をもつ口腔外科医が多数在籍しており、お互いに情報交換して切磋琢磨しています。
また、親知らずの抜歯を学びたい歯科医師の見学も受け入れています。
歯科恐怖症、嘔吐反射でお悩みの方もご安心ください
静脈内鎮静法を用いた親知らず抜歯
歯科恐怖症、嘔吐反射の方など治療に対する不安がある方に楽に治療を受けてもらうための方法として、静脈内鎮静法を用いた親知らず抜歯を行なっています。
点滴で麻酔薬を入れることにより、寝ている間に治療が終わったような感覚で痛みが少ない治療を受けられます。
静脈内鎮静法を用いた親知らずの抜歯をご希望の場合は、抜歯の日の前に問診と、抜歯当日に注意事項の説明をします。静脈内鎮静法を併用した抜歯は自費診療となりますので、ご注意ください。
親知らずの「痛くて抜きたい」
親知らずによる痛みの理由は、患者さまのお口の中の環境などによって異なります。
親知らずが生えてくるときに痛む理由
(1) 親知らずの周りが細菌によって腫れている
親知らずの頭部が完全に出てきていないと、歯肉と親知らずの間の隙間に細菌が溜まります。蓄積した細菌が歯肉に炎症を起こし、腫れや痛みを生じることがあります。
(2) 親知らずの虫歯
親知らずは一番奥に生えているため、歯ブラシが充分に届かず虫歯にかかりやすくなっています。斜めに生えることも多く、その場合は親知らずの頭部と接している手前の歯(第二大臼歯)が虫歯になってしまうことがあります。
(3) 親知らずが隣の歯を押して痛む
斜めに生えた親知らずが手前の歯(第二大臼歯)に当たって、歯を押すような形になることがあります。それにより、痛みや違和感を生じます。
(4) 親知らずが生えてきて、噛むと歯肉に当たってしまう
親知らずが生える方向が真っすぐでない、または噛み合う歯がない場合は、親知らずが歯肉や頬に当たって痛みを感じます。
親知らずの抜歯の判断
「親知らずは抜いたほうが良いですか?」という質問をよく受けます。親知らずには抜いた方が良いものもあれば、抜かなくても問題がないものもあります。
抜歯した方がよい例
- 親知らずの周りの歯肉が腫れている(腫れたことがあった)
- 親知らずの周りの歯肉に痛みがある(痛みがあった)
- 親知らずが完全に生えてない(途中まで出ている)
- 親知らずが虫歯になっている
- 親知らずが歯肉や頬を傷つけている
- レントゲン撮影で親知らずの周りに黒い影がある(含歯性嚢胞)
- 親知らずの手前の歯(第二大臼歯)が虫歯になっている(虫歯になるリスクがある)
抜歯しなくてもよい例
- 真っすぐに生えて噛み合っている(または生えてくる見込みがある)
- 歯牙移植のドナーに適している
- 骨に完全に覆われて埋まっている
- 矯正治療に利用できる
- ブリッジの支えになれる見込みがある
抜歯をしないで放置するとどうなるか
親知らずの周囲に炎症があるまま放置すると、炎症がさらに広がって顎骨周囲炎を生じます。顎骨周囲炎にかかると、顔面の腫れ、開口障害、嚥下障害、摂食障害などの症状が起きて、日常生活に支障をきたすことがあります。腫れが咽頭周囲に波及し気道が閉塞すると呼吸困難になり、生命に関わる重篤な症状となる場合があります。
治療は抗生物質の内服だけではなく、入院して点滴による治療となる場合があります。また、炎症が起きる状態を繰り返すと、炎症が骨の中に及ぶ骨髄炎という状態になる可能性もあります。これは難治性で、治療に苦慮することがあります。このような状態にならないために早めの受診をおすすめします。
親知らずによる症状
親知らずと口臭
親知らずが磨きにくいと、親知らずの周りに食べかすや歯垢(細菌)が蓄積して口臭が強まります。
親知らずと腫れ
親知らずの周りに細菌が増殖すると、炎症が起こって歯肉が腫れることがあります。また、痛みや発赤、発熱、機能障害などの症状が出るケースもあります。症状を改善するためには、抗生物質で細菌の量を減らすことと、細菌が蓄積しない環境をつくること(抜歯)が必要になります。
親知らずの抜歯と神経麻痺
下顎の中には下顎管(かがくかん)という、神経や血管が通る管があります。親知らずが下顎管と近い、または接しているような場合は、抜歯後に痺(しび)れが残る場合があります(オトガイ神経麻痺)。麻痺が起こる確率は約0.6%という報告があります。
親知らずは抜くべきが残すべきか
親知らずは抜いた方がいいか
親知らずは、虫歯や歯肉の炎症(智歯周囲炎)、不正咬合の原因となるために抜歯されることが多くなります。しかし、普通に生えていて奥歯として正常に機能している、または矯正治療で使える、といった場合は抜歯せずに残すこともあります。
親知らずが気になる場合は、歯科医師の診断を受けたうえで歯を抜くリスクと抜かないリスクを比較し、判断するのがよいでしょう。
その他資料
・智歯は通常、17~24歳の間に生えてくるため、25歳を過ぎると手前の歯との間のう蝕罹患率が有意に高くなる。
・年齢により智歯のう蝕罹患率はさまざまで、24~80%と報告されている。
・下顎親知らずのほうが、上顎親知らずよりもう蝕罹患率が高い。
・口腔内に萌出もしくは半萌出している智歯をもつ中高年のアメリカ人2003名の調査では、その77%にう蝕を認めた。
・半萌出、近心傾斜の智歯のう蝕罹患率は、遠心傾斜や垂直埋伏のそれよりも有意に高い。
まとめ
半萌出で手前に斜めもしくは横向きに埋まっている親知らずのう蝕罹患率は高く、25歳を過ぎるとその割合は有意に高くなる。
子どもにおける親知らず抜歯について
歯胚摘出(Germectomy)
成長期の小児に行なわれる、親知らず抜歯のことです。親知らずの歯根形成前に行ないます。時期としては、小学生高学年から中学生の時期になります。矯正治療をするうえで必要となるほか、将来的な智歯周囲炎や隣在歯の予防のために行なわれます。成人の親知らず抜歯に比べて比較的浅い位置にあるとともに、歯根形成前で神経との距離もあります。そのため、術式的には成人の親知らず抜歯よりもリスクが低いのが一般的です。
しかし適応年齢が成長期の小児であるため、処置に対する患児の協力が得られるかどうかが問題になります。患児の協力が得られずに処置中に動かれたりしてしまうと危険なため、処置ができないこともあります。その場合には、全身麻酔などの管理が可能な病院での処置となります。
親知らずを抜かないリスク
親知らずと手前の歯が虫歯になるリスク
親知らずと手前の歯の位置関係によっては歯の間に汚れが入ってしまい、歯ブラシで磨きにくい場所のために虫歯が進行しやすくなります。
親知らずの虫歯が進行すると痛みが出るだけでなく、抜歯が必要になった際に歯がボロボロに崩れて困難な抜歯になってしまうことがあります。
抜歯が困難になるほど、術後の痛みや腫れなどの合併症も出やすくなります。
親知らず周囲の歯肉が腫れるリスク
親知らずが歯肉に埋まっていて頭部の一部が出ていたり、手前の歯の歯周ポケットを介して口腔内と交通していたりする場合には、歯肉の下の親知らずの部分を磨けないため、周囲の歯肉が炎症を起こしやすくなります。
親知らずの周囲の歯肉が炎症を起こした状態を「智歯周囲炎」といい、親知らずの抜歯が必要になる場合があります。親知らずを抜かなければ、完治しないことが多いです。
親知らずの手前の歯の歯根が吸収されるリスク
親知らずが隣の歯の歯根に向かい横向きに深く埋まっている場合には、親知らずとぶつかっている手前の歯の歯根が吸収されてしまうことがあります。
それ自体では痛みをともなわないことが多いですが、親知らずの抜歯をする際に、歯根が吸収されている手前の歯も抜歯になってしまうことがあります。
また、親知らずだけを抜歯する場合でも、親知らずの頭部が手前の歯の根に食い込んでいるために抜歯が困難なケースがあります。
親知らずを抜くリスク
1.抜歯による併発症
疼痛
炎症のピークが術後2~3日で、そこから1~2週間ほど経過して引いていきます。親知らず抜歯後の疼痛も、それと同様の経過をたどります。
疼痛の程度は親知らずによって異なるので、術後鎮痛薬が必要ないくらいのものから、1週間以上痛みが持続するものまであります。ただし、鎮痛薬で痛みをコントロールできるものがほとんどです。
術後の痛みの出現を最小限にするために、当院では抜歯直前から鎮痛薬を内服していただきます。また、抜歯の最中は麻酔を効かせて痛みがない状態にします。抜歯後の鎮痛薬の内服は痛んだときの頓用であるとともに、抜歯後の1日間は定時で服用していただくようにしています。
痛くなってから鎮痛薬を内服するのではなく事前に鎮痛薬を内服しておくことが、痛みを長引かせないポイントです。
腫脹(腫れ)
親知らず抜歯後の軟組織の腫れは術後1~2日がピークで、その後1~2週間かけて徐々に軽減していきます。
患部を冷やすことによって腫れと疼痛はある程度軽減しますが、冷やしすぎると血流が悪くなり治癒が遅くなる可能性があるため、水で冷やす程度にした方が良いでしょう。
また、冷やすのも腫れがピークを迎える1~2日程度にしてください。あまり冷やし続けると治癒が遅れます。
腫れをできるだけ抑えるために、全身および局所の安静を保ち、飲酒や運動など血流が良くなるようなことを避けてください。
抜歯直後の発熱
親知らず抜歯後の発熱は感染による発熱ではなく、一過性の菌血症による発熱であることがほとんどです。通常は、術後の抗菌薬と抗炎症鎮痛薬の内服で問題にならないことがほとんどです。
心臓の弁疾患や感染性心内膜炎のリスクの高い方は、術前に決まった量の抗菌薬を予防投与します。抜歯後、微熱が長く続く場合には、感染性心内膜炎を疑って専門医に紹介することもあります。
後出血
親知らず抜歯後の後出血は、術後数時間経過して麻酔が切れるくらいのタイミンングで起きることが多いです。
歯科でよく使われる麻酔薬には血管収縮薬が含まれているので、その作用が切れ始めると出血しやすくなってきます。また、麻酔が切れはじめると痛みも出て、その不安による血圧上昇も影響します。
出血が気になる場合には親知らず抜歯後の患部にガーゼもしくはティッシュを丸めたものを当てて、30分ほど噛むことによって圧迫止血します。抜歯した部位を圧迫できていないと止血効果はないので、手前の歯などで噛まないように注意します。それでも出血が続くような場合には、抜歯をした医療機関にご連絡ください。
下歯槽神経麻痺
下歯槽神経は下顎骨の中を通っている神経で、下の歯と下唇とオトガイの感覚を司ります。
これが親知らずから離れていればそれほど問題になることはありませんが、親知らずと接していたり、親知らずの近くを通っていたりすると、術後の神経麻痺のリスクが高くなります。
それ以外にも神経損傷のリスクを上げる要素として、25歳以上、水平埋伏智歯、術者の技術力の不十分さ、などがあります。親知らず抜歯の際に神経を損傷させた場合だけでなく、腫れによる圧迫でも神経麻痺につながるおそれがあります。
症状としては、下唇とオトガイあたりの麻痺が出現します。神経麻痺が出現した場合、程度にもよりますが、投薬もしくは専門医に紹介します。
親知らず抜歯による神経麻痺は多くの場合回復してくるものが多いですが、稀に永久的に残ってしまうものもあります。
当院での親知らず抜歯による下歯槽神経麻痺は0.5%未満となっており、一般的なデータよりもリスクは低く抑えられています。
上顎洞との交通
レントゲン所見で上顎洞底が低く、親知らずの歯根が上顎洞内に突出しているように見える場合には、親知らず抜歯によって抜歯窩と上顎洞が交通してしまうことがあります。
穿孔した穴が小さい場合には、2~3週間で自然閉鎖してしまう場合が多いですが、穿孔した穴が大きい場合や強く鼻をかむなどの刺激がある場合には、自然閉鎖しないことがあります。この穴が交通したままだと、口から飲んだ液体が鼻から出てきてしまうことがあります。
自然閉鎖しない場合には、口腔上顎洞瘻孔閉鎖術という方法でこの穴を塞ぎます。
このリスクを把握するためにも、親知らずの歯根が上顎洞に突出していそうな場合には、CTを撮影して確認することがあります。
また、このリスクを極力減らすためにも、上顎洞に近い上の親知らずを抜歯した場合、2週間ほどは強いうがいや強く鼻をかむことは控えるようにしてください。
開口障害、嚥下痛
親知らず抜歯後の腫れや舌側軟組織への炎症の波及によって、開口障害や嚥下痛が出現することがありますが、ほとんどの場合は術後の炎症が引くのに合わせて回復していきます。また、咽頭痛をともなうこともあります。
皮下出血斑
埋まっている親知らずなどで、歯肉の切開をして抜歯をした際に皮下にあざ(皮下出血斑)を生じることがあります。打身のときの青あざと同じようなもので、青紫→薄緑→黄色と色が変化しながら1~2週間ほどで自然に消失していきます。
一般的には、下の親知らずを抜歯した際に同側の頬部に出現して、時間の経過とともに顎下部から頚部へと移動しながら消えていくことが多いです。場合によっては、上方は下のまぶたあたりまで広がることもあります。消失を早めるためには、温めるのが良いとされています。
手前の歯の痛み
親知らずの抜歯後しばらくの間、親知らずのひとつ手前の歯が痛くなることがあります。
これは、部分的に埋まっている親知らずの頭部が手前の歯の根っこに接しているときなどに抜歯し、手前の歯の根っこの部分が露出することが原因です。
エナメル質で覆われていない歯の根っこは、水や空気などの直接的な刺激を受けることになり、知覚過敏症状を生じます。このような症状が出現しても、ほとんどの場合は抜歯窩(抜歯後の穴)が治癒して肉芽で埋まってくることによって刺激が伝わりにくくなり、知覚過敏が改善していきます。
また、親知らずの抜歯の際に手前の歯に力がかかってしまうこともあり、それによって痛みが出てしまうこともあります。しかし、多くの場合は時間の経過により症状が和らいでいきます。
親知らずの一部残存
親知らず抜歯の際には、コロネクトミー(歯冠除去術)や2回法のように親知らずの歯冠だけ除去してあえて歯根を残す方法と、意図せずして親知らずの歯冠や歯根が残ってしまうケースがあります。親知らずの歯冠の一部が残ってしまった場合には、のちに抜歯後感染を起こすことが多く、その場合には残存した歯冠を除去する必要があります。
歯根の尖端だけが折れて残ってしまった場合などは、神経麻痺のリスクを減らして上顎洞に歯根を落とし込むのを防ぐために、あえて歯根を残す術式「コロネクトミー」と同じような考えでそのまま残すことがあります。
歯根が残っていても必ず感染するというものではなく、むしろ無症状で経過することの方が多いです。親知らずの歯根が破折して残ってしまった場合は、そのまま残す方法と除去する方法とのそれぞれのリスクを考慮し、最適と思われる方法を選択します。
感染
親知らず抜歯後の感染リスクは、上の親知らずよりも下の親知らずの方が高いとされています。さらに、骨の中に埋まっている親知らずの抜歯で分割が必要なものの方が、抜歯後感染のリスクが高いという考えもあります。
それ以外にも抜歯後感染の高リスク因子として、糖尿病、長時間手術、ステロイド・免疫抑制剤の使用などがあります。
抜歯後感染予防のために、術前の抗菌薬予防投与をすることがありますが、これには支持する論文と反対する論文があります。当院では手術の侵襲度などを総合的に判断して、親知らず抜歯前の抗菌薬予防投与を行なっています。
歯の誤嚥・誤飲
親知らずを抜歯した際、抜いた歯が咽頭に落ちることがあります。咽頭に落ちた場合には飲みこまず、すぐに横を向くようにしてください。横を向くことで歯を吐き出しやすくなります。万が一誤飲してしまっても、多くの場合は2~3日後に排出されます。
誤嚥してしまうと気道を閉塞してしまい、危険なことがあります。誤嚥のリスクをできるだけ少なくするため、口ではなく鼻で呼吸するようにしてください。口呼吸だと咽頭が開きやすく、抜いた歯が咽頭に落ちやすくなります。
顎関節脱臼
抜歯の際にがんばって大きく口を開けようとしすぎると、稀に顎関節脱臼を起こしてしまいます。
その場合には整復して戻しますが、抜歯の際には常に大きく口を開けている必要はありません。歯科医師の指示に応じて開口してもらえれば大丈夫です。
皮下気腫
抜歯の際、親知らずを分割するために使う器具から出る空気が皮下の組織に侵入し、貯留することで生じます。顔面や頚部の腫れをともない、疼痛や違和感を覚えることがあります。局所に気腫が留まっていて自覚症状が乏しい場合は自然に消退するまで経過観察も可能ですが、多くの場合は安静を指示し、感染予防のための抗菌薬投与、痛みがある場合には鎮痛薬を投与します。
気腫が拡大している場合は、呼吸困難、胸痛、血圧低下などの症状が発現することがあり、専門医や救急病院への受診が必要となります。
舌神経麻痺
舌神経とは、親知らずのすぐ内側を走行している神経で、舌前方2/3の知覚と味覚を司ります。
抜歯の際、器具による損傷や圧迫によって麻痺を生じることがあります。稀な併発症ではありますが、近年増加傾向にあるようです。従来は、主に口腔外科医が下の親知らずの抜歯を担当していましたが、一般の歯科医師が下顎智歯の抜歯を行なう頻度が増加しているためではないかともいわれています。
舌神経麻痺は程度にもよりますが、障害が起きると治癒が非常に困難なことが多いです。
2.親知らずを失うリスク
・矯正または親知らずの移植によって、歯として機能させる選択肢がなくなる
・入れ歯やブリッジの支えとして使えなくなる
親知らず(下顎埋伏智歯)抜歯の禁忌症
医学の進歩により、親知らず抜歯を含めて観血的処置の適応は拡大していますが、全身ないし局所的な疾患によって抜歯の際のリスクを高める可能性があるため、その疾患の状態を把握して適切な対応をする必要があります。疾患によっては、その疾患の主治医に対診をとります。
1.全身的要因による禁忌症(下顎埋伏智歯)
下記の疾患がある場合には、それぞれの主治医に対診するなどして疾患の状態を把握する必要があります。
- 心血管系(循環器)疾患
- 糖尿病
- 血液疾患、出血傾向を有する
- 腎疾患
- 肝疾患
- 妊娠している
- 呼吸器系疾患
- 脳神経疾患
- アレルギー疾患
- ステロイド剤を使用している
- 甲状腺機能異常がある
- 骨吸収抑制薬を使用している
2.局所的要因による禁忌症(下顎埋伏智歯)
- 急性炎症症状がある
- 悪性腫瘍組織の中に歯が植立している
- 放射線治療後(放射線性骨壊死)
- 抜歯部分に血管腫がある
- 嚢胞などで抜歯により骨折のおそれがある